2025年12月9日トピックス
長期金利、約18年半ぶりの高水準に
12月4日の東京債券市場で新発10年物国債の流通利回りが1.925%となった。前日比0.035%高くなり、2007年7月の1.96%を付けて以来、約18年半ぶりの高値となった。背景には、高市政権の積極財政路線で我が国財政が悪化しかねないとの見方に加え、12月第3週に予定されている日銀の金融政策決定会合で利上げに踏み切るのではとの観測から、債権を売る動きが広がり、長期金利の上昇してきている。ただ、エコノミストは日銀の利上げ以降も円安は続くとみている。
財政審、基礎的財政収支の毎年度確認を
財政制度等審議会は2026年度当初予算編成に対する建議(意見書)で、高市首相が単年度黒字化の目標を撤廃する表明に対し、財政規律の指標となる基礎的財政収(プライマリーバランス)の状況を確認し、毎年度の財政運営に臨むよう求めた。財政審は「金利ある世界」が再来することを危惧し、財政の健全化を図るうえで、歳出改革など政府がコントロールできる取組みを続けることが重要だと指摘している。また、建議では「現役世代の重い保険料負担を最大限抑制することが不可欠だ」と政府に望んだ。
10月消費支出3%減、節約志向が鮮明
総務省が発表した10月家計調査で10月の1世帯当たり(2人以上)の消費支出は30万6872円だったことが明らかになった。前年同月比3.0%減で、マイナスは6ヵ月ぶりとなり、節約志向が鮮明になった。項目別にみると、食料が5ヵ月連続で前月を下回り1.1%減、自動車購入を含む交通・通信は9.2%減、授業料や補習教育などの教育は7.6%増、保健医療は7.6%増、被服・履物は6.3%だった。値上げが相次いだ酒類や飲料の買い控えの動きが目立ち、自動車購入でも安価な軽自動車や中古車を求める動きが見られた。
高給を求める外国人、東京への転入超過
総務省の人口移動報告で、日本に住民票を持つ外国人の東京圏(埼玉・千葉・東京・神奈川)への転入が増え、2024年は転出した人を1万6千人以上になることが判明した。東京圏への一極集中が加速している背景について、国立社会保障・人口問題研究所は「働き手となる若者が地方から都市部へ賃金を理由に移っている」とみている。人手不足を背景に、特定技能制度での転職が認められる者の受け入れが東京圏へ転入していることが伺える。
上位100社軍需関連販売額は100兆円
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)が発表した世界の軍需企業の2024年販売額に関する報告書によると、上位100社の軍需関連の販売額は前年比5.9%増の6790億ドル(約106兆円)だった。過去最高額となり、100社に入った日本企業は三菱重工業など5社で、販売額は前年比40%増の133億ドル(約2兆円)だった。上位100社のうち77社が販売額を伸ばし、米国企業が販売額全体の49%を占めている。
多重債務者、約4年で3割急増
金融庁の調べによると、今年3月末時点で3件以上の貸金業者から借金する多重債務者は147万人に上っていた。直近で最少だった2021年3月末時点で114万人から3割も増えている。多重債務が自殺者との相関関係が見られ、2021年頃から増加しており、2024年には853人に上り、実態調査が必要としている。同庁では物価高といった経済環境の変化も視野に関係性を分析し、他省庁と連携した情報共有も図る考えだ。
1100万人、糖尿病が強く疑われる
厚生労働省の推計によると、2024年国民健康・栄養調査で糖尿病が強く疑われる20歳以上の男女は約1100万人に上ることが分かった。調査は2024年10~11月に行われ、約1万400世帯からの回答で、血液検査で血糖状態を示すヘモグロビンA1Cが基準値以上で糖尿病が強く疑われる人は12.9%だった。これを基に、全人口に換算すると約1100万人に上り、初めて調査した約690万人から増加傾向にある。同省では「予防には食生活習慣全般の改善が重要だ」としている。
余暇関連の市場規模は75兆円に
日本生産性本部の「レジャー白書2025」によると、観光や外食、趣味など余暇関連の市場規模は75兆2030億円だった。前年比5.6%増となったものの、宿泊費のなどの高騰で、国内観光旅行や外食といった多くの余暇活動での参加人口は減少した。また、市場規模でみると、新型コロナウイルス流行前の水準には回復したものの、過去最高だった1996年の90兆9140億円には達していない。参加人口では国内観光旅行が3年連続の首位で、動画鑑賞、外食が続いた。
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記事提供元:(有)ホップステップ「新聞・経済のうごき@.yomu」