社会・経済の動き

2025年12月2日トピックス

2025年度補正予算、6割は国債増発

11月28日、閣議決定された2025年度補正予算総額は18兆3034億円だった。その歳入うち、国債の追加発行額は約6割に相当する11兆6960億円となり、昨年度の補正予算での発行額の約2倍となる。長期金利が上振れしている状況にあり、今次の国債新規発行頼みによる補正予算について、エコノミストは「財政規律は極めて緩く、責任を欠く単なる積極財政だ」と指摘している。

全国の農業従事者は約102万人に減少

農林水産省は全国の自営農業を主な仕事とする基幹的農業従事者は102万1千人だったと2025年農林業センサスで発表した。前回調査の2020年時点から34万2千人減少した。減少率は25.1%となり、1985年以降で過去最大だった。農業の担い手が減少する背景について、資材高騰や猛暑の影響から高齢者を中心に離農や廃業が加速したことが要因だと同省では指摘している。基幹的農業従事者の平均年齢は0.2歳下がり、67.6歳だった。

2024年度、約7割の病院が赤字

厚生労働省の2024年度医療経済実態調査によると、病院のうち67.2%が赤字だったことが判明した。病院の収益から給与や材料費などの費用を差し引いた利益が収益に比べどれほどあるかを示す医業利益率の平均はマイナス7.3%で赤字だった。病院の種類別にみると、全ての種類の病院で半数以上が赤字で、最も高かったのは、一般病院が72.7%、精神科病院が66%、療養型病院が53%となっている。同省では「物価・人件費・物件の伸びが費用面を押し上げ、赤字要因の1つだ」としている。

中企庁、賃上げ試算サイトを開設

中小企業庁は10月下旬に経営者が従業員の賃上げに要するケースに応じてその原資となる利益を確保するために試算できるサイトを開設した。サイトでは従業員数や時給引き上げ額を入力すると、どれだけ原資となる利益を伸ばす必要があるかを自動で算出する仕組み。また、サイトには中小企業が利用できる補助金や人材支援制度の一覧も掲載し、賃上げを促進する内容となっている。同庁では「人件費がいくら増えるかを想像しやすい」と利用を呼び掛けている。ただ、賃上げに伴って増加する社会保険料などの費用は含まれていない。

中小企業の価格転嫁率は53%

中小企業庁は中小企業がコスト上昇分を価格に転嫁した割合を示す価格転嫁率は53.5%だったと発表した。2021年9月に調査を開始して以降で最も高かった。今回の調査では都道府県別の価格転嫁率を初めて公表しているが、島根県が58.6%で最も高く、岩手県が45.5%で最低だった。価格転嫁が必要な中小企業のうち、一部でも転嫁できた企業は83.2%で、このうち全額を価格転嫁できた企業は27.3%にとどまり、一方で価格転嫁できなかった15.8%に上っている。

世界の紛争での犠牲、約24万人

英国のシンクタンクである国際戦略研究所(IISS)は世界の武力紛争に関する報告書で、昨年7月~今年6月までの1年間で紛争による犠牲者は23万9587人に上ったと発表した。犠牲者は前年同期比23%増加している。ロシアのウクライナ侵攻やパレスチナ自治区のガザの戦闘、スーダンやミャンマーの内戦の死者が半数以上を占めている。IISSは民間人への攻撃や人道支援物資の輸送妨害、民間のインフラ破壊など戦争犯罪に相当する行為が顕著になっていると訴えている。

 デジタル競争力、日本は30位

スイスの国際経営開発研究所(IMD)が発表した「2025年版世界デジタル競争力ランキング」によると、日本は世界の主要な69カ国・地域で30位だった。IMDがデジタル領域の「知識」「技術」「将来への備え」の3分野について採点し、順位付けしたもので、日本は科学への取り組みなどで評価を高め、前年から順位を1つ上げた。先進7カ国ではイタリアを日本は上回ったものの、欧米やアジアの先進地との差は依然として大きい。首位はスイスで、2位にアメリカ、3位にシンガポールだった。

東宝、映画「国宝」興行収入が歴代1位

東宝は映画「国宝」の興行収入が173億7千万円になったと発表した。これまで邦画実写作では歴代最高だった「踊る走査線 レインボーブリッジを封鎖せよ!」の173億5千万円を超え、22年ぶりに歴代興行収入1位となった。興行通信社のまとめでは、全体でのランキングではアニメ映画「鬼滅の刃 無限列車編」(歴代興行収入1位)や洋画「タイタニック」(同4位)などのベスト10に続き、「国宝」は歴代11位となった。


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記事提供元:(有)ホップステップ「新聞・経済のうごき@.yomu」


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