社会・経済の動き

2023年4月25日トピックス

2022年度貿易赤字、過去最大

財務省は2022年度貿易統計速報で貿易収支は21兆7285億円の赤字だったと発表した。赤字額は前年度比約3.9倍もの急増ぶりで、比較可能な1979年度以降で過去最大となった。背景には原油価格の高騰や円安があり、輸入が前年度比32.2%増の120兆9550億円となり、輸出の伸びを上回っていた。貿易赤字は2年連続で、原発停止が影響した2013年度に記録した最大の13兆7564億円を大きく上回った。3月の貿易収支は7545億円の赤字となり、20カ月連続で赤字だった。

昨年度の消費者物価指数、歴史的上昇

総務省は2022年度平均の全国の消費者物価指数は前年度より3%上昇したと発表した。第2次オイルショックの影響があった1981年度以降41年ぶりの歴史的な上昇幅となった。帝国データバンクのまとめでは今年の食品値上げは昨年に続き2万品目を超えており、物価上昇は今後も続く見通しにある。また、みずほリサーチ&テクノロジーズの試算では2022年度の家計負担は前年度から約10万円増え、今年度はさらに5万円増えるとしている。

健保組合の今年度予算、過去最大の赤字

大企業の従業員や家族が加入する健保組合の2023年度予算の集計結果を公表したところ、経常収支は5623億円の赤字となり、赤字額は過去最大となることが明らかになった。赤字の最大要因は高齢者医療への拠出金が大幅に増えたことが主な要因となっている。全1380組合の中で、8割近い1093組合が赤字に陥っている。このため、今年度の平均保険料は0.01ポイント増の9.27%で過去最高となった。1人当たりの年間保険料は1万1101円増の50万9657円(労使折半)となる。

温室効果ガス排出量、8年ぶりに増加

環境省は2021年度の国内の温室効果ガス排出量は11億7千万トンだったと発表した。前年度比2%の増加で、8年ぶりに増加に転じた。増加に転じたのは日本だけにとどまらず、G7主要7ヵ国も全て増加に転じており、新型コロナ禍で停滞していた経済が回復したことから、エネルギー消費量が増加したことが主因とされている。政府は2030年までに2013年の排出量の46%削減を目標にしているが、2013年度と比べ20.3%減少となり、目標までは道半ばの状況にある。

正社員不足、全国企業の66.6%

東京商工リサーチの調査で、正社員不足で人手不足にある全国の企業は66.6%に上ることが分かった。「非常に不足している」(11.5%)、「やや不足している」(55.1%)と人手不足を訴えていた。業種別に不足感を抱えている企業では、「道路旅客運送業」(90.9%)が深刻で、「道路貨物運送業」(88.2%)、「宿泊業」(83.3%)が続いた。同社では「運送業は資格が必要なため、同業種内で人の取り合いになっている。賃金や待遇の改善をしないと人が集まらない状況になっている」とみている。

ビジネスケアラーの経済損失は9兆円超

経済産業省が発表した試算で、働きながら家族を介護する人である「ビジネスケアラー」は労働生産性の低下などにより経済面での損失は2030年に9兆円超になるとみていることが明らかになった。2025年に団塊世代が全て75歳を超え、介護が必要となる高齢者が増えると見込まれていることが背景にある。同省では、ビジネスケアラーは2020年に約262万人だったが、2030年には約318万人になるとみている。

「緊急発進」回数は依然高い778回

防衛省の発表によると、昨年度に領空侵犯の恐れがある航空機に対し航空自衛隊による「緊急発進」を778回行ったことが明らかになった。内訳をみると、中国機に対する発信回数が575回の最多で、ロシア機が150回で続いた。過去最多だった2021年度の1004回からは減少しているものの、2013年度以降は700回を超える高水準が続いている。浜田防衛大臣は「我が国周辺空域における中国及びロシア機の活発な活動は続いている」との懸念を示している。

GW予算平均は1.7倍増の2万7千円

民間調査会社のインテージが15~79歳の男女を対象にゴールデンウィークの意識と行動を調査したところ、今年の1人当たりの予算は平均で2万7870円だったことが分かった。昨年の1万6407円から1.7倍に増加している。具体的な支出予定では、ショッピングが24%、外食が19%、国内旅行が14%などとなっており、いずれも昨年より伸びていた。一方、「自宅で過ごす」は3ポイント減の35%だった。同社では「昨年よりアクティブに過ごしたい人が増えている」とみている。


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記事提供元:(有)ホップステップ「新聞・経済のうごき@.yomu」


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